宮司の社さん

近江日野にいると山を身近に感じます。

地形的にも、そして精神的にも。

日野の神様であり、町のどこからでもだいたい見える綿向山。

平らで広い田園となだらかな丘の向こうにそびえる綿向山。

 

綿向山は神様が宿る山として崇められ、

山頂には山の神が祀られた大嵩(おおたけ)神社、

麓には、山の神を遷して祀られた馬見岡綿向

(うまみおかわたむき)神社があります。

日野には古くから伝わるお祭りや行事が数多く残り、

そのため、神事も多く、その神事を執り行っていらっしゃる

綿向神社の宮司の社(やしろ)さんを

お見かけする機会がたくさんあります。

宮司さんが減り、ひとりの宮司さんが

受け持つ神社の数が増えているのが日本各地の現状です。

日野町でも、町の33の神社を担当なさっている

社さんは忙しいに決まっているのですが、

神様のことをよく知らない人にもわかりやすく

面白くお話ししてくださるので、

お見かけするとついつい声をかけさせていただいて、

いろんな質問をしてしまいます。

そして時々配ってくださる「お宮の杜」という

社さんの手づくりのかわら版がとっても丁寧で優しくて、

ちょっと違う次元で、社さんが日野のみんなの

お父さんのような存在に感じられて大好きです。

 

この「社さん新聞」では、過去に発行された

「お宮の社」からの抜粋を中心に、

社さんから伺ういろんなお話を

載せていただきます。お楽しみに。

 

photo: Yoshinori Yamazaki